incu-be05号でも紹介した東京農工大学アグロイノベーション高度人材養成事業。本プログラムに参加し、株式会社リバネスのインターンシップ に参加した三浦隆匡さんは、興味のあった教育という分野で実体験を積むことで、教育現場の現実や課題、今後の展望を見いだすことができた。

 

自分のしたいことは?



私は放線菌に感染するファージが持つ部位特異的組換え機構を遺伝子工学として応用することを目標に研究を進めている。 インターンシップに参加したきっかけは、大学での学生実験のTAだった。実験の合間、学生に、将来は何がしたいのかと聞いたときに、「何をしたいのかわか らない」と言われた。その問いを自分にしたとき、同じ答えであることに気づいた。そこで、何をしたいのかを知るきっかけを求めて本事業に参加し、リバネス を知った。理科離れが叫ばれている今、教えることが好きな自分がやりたいことはリバネスにあるのではないかと思い、研修を希望した。




リバネスでしか学べなかったこと



研修では、社員や他のインターン生とともに、実験教室やサイエンスショーのスタッフとして実際に教育現場に赴き、小学 生から高校生までに最先端の科学を教えることができた。中でも、電力館での企画はとても印象深いものとなった。DNA鑑定をテーマに、中高生を対象とした 展示・実験ツアーを行ったが、時には小学生や小さい子連れの親子が訪れることもあった。中には内容の理解が難しい年齢の子どももいたが、説明を真剣に聞い ていてくれ、最後にアンケートをとってみると、とても面白かったと言ってくれた。子どもたちが自分の話に引きつけられていく姿を見て、科学に対して興味を 持つ機会を与えられることに喜びを感じ、やはり自分のやりたいことは教育なのではないかと思った。
研修を通して感じたことは、幼い時期は誰でも好奇心旺盛であり、理科や科学に対する興味を持っていること。これを育てていくため、先生方は生徒に考えさせ る実験や研究者と交流できる機会を多く与えたいと考えているが、なかなか実現は難しいようだった。好奇心を育てていくために、学校外にもそのような機会を 作っていくことが望まれるのではないかと感じた。




身近にサイエンスを・・・



「なぜ」と思い、それを解決できたときの喜びはどんなものにも勝る。それは他人にとっては小さなことでも、発見した本 人には大きな喜びである。その積み重ねが科学への興味を育てる。インターンシップを通して、次世代の理科離れを防ぐためには、持続的な科学教育の提供や、 子どもを取り巻く身近な環境から変えることが必要であることがわかった。実験で直接科学に触れられるような場所をはじめ、子どもに一番身近な存在である大 人までを巻き込み、科学が親子の共通の話題にあがる機会を与えられる場所を作っていきたい。
(寄稿)